生成と消滅 MIRAGE

St, Elisabeth Kirche (1830年代にドイツの建築史に残る建築家、 Schinkelによって建てられた。)東ドイツ時代に廃墟となり、ベルリン建築復興委員会により再建された。未だに廃墟のにおいが残る高さ15m、幅18m、奥行き24mの空間。そこに宇宙線のインスタレーションを仕掛ける。天から降り注ぐ光を廃墟となった宗教建築内に展開させ、アートと宗教と自然科学の融合された空間をこころみた。

10×21m

シンチレーション検知器、光電子倍増管、LED
協賛:国際交流基金、ポーラ美術振興財団、ベルリン-ミッテ地区文化振興基金
協力:ベルリン美術館教育サービス、 教会文化振興委員会, BRONSINSKY & KOPP
後援:日本大使館


2003.12.20〜2004.1.31
セント-エリザベス教会 ベルリン

Appearance and Disappearance Marl 2004

明るい部屋では宇宙線のシグナルを検知すると常点しているグリーンのLEDが消灯し、その瞬間、 LEDプレートはシルエトとなる。復帰点灯する時間は宇宙線のエネルギー値に応じて設定されている。暗い部屋ではブルーの LED が同じシグナルで点灯する。非常に暗い輝度に設定されている為、5分の暗順応時間を経ない見えて来ないが、目が慣れると点滅する数百個の星の中に居るような世界を経験する。人智を超えた茫漠たる宇宙空間を宇宙線のリアルタイムで検知した信号によって顕在化した。


生成と消滅 MARL「初めに光ありきー逢坂卓郎展」 マール市立彫刻美術館-ドイツ 2004

大地、水、宇宙

高さ30mのコールテン鋼のタワー内空間に宇宙線に反応する1000個の青い光を展開。地下に広がる湧き水の中には同じ信号で消えて行く赤い光の空間をアレンジ。大地、水脈、生態系、そして宇宙という垂直方向に広がる世界を建築と一体化させた形で提案した。螺旋階段を昇るにつれて暗闇の中から光が見えて来るという、見る人の参加性を考えた。

直径6×高さ30m

シンチレーション検知器、光電子倍増管、LED

「森の学校キョロロ」新潟県松之山 妻有アートトリエンナーレ‘03

啓示 – 宇宙線によるインスタレーション

啓示:
Revelation-Perpendicular

私は自然現象を視覚化する媒介者に過ぎないが、この仕事を通して様々な思索にふける。
予測できない光の周期の前に不安感が安らぎへと変わって行く心理の逆行現象を体験する事もある。その原因は作品の向う側に広がる宇宙だけではなく、私達を存在させている意味や意志を感じるからだろうか。作品Perpendicularは参観者がエネルギー線の断面に対峙する対面状態を設定した。256個の赤色LEDの光は宇宙線が入って来ると、次々と消える。

啓示:
Revelation-Parallel

参観者は赤い部屋に開けられた小さな四角いトンネルを通って、もう一つの部屋に案内される。そこは完全な暗室で天と地が合わせ鏡になっている無限反射の世界である。
人々は頭上と足下へ延々と伸びる無数の青いエネルギー線に囲まれる。

ひとつのトリガーによって全く反対の現象が起き、それを同時に見る事はできない。
宇宙は、そのような反世界的な構造を持っている。


2002/4/9〜6/2 千葉市美術館「The Essential」

ヒトゲノム

人の亡骸が炎によって埋葬される時、細胞と共にヒトゲノムも分子となって大気中に放出される。ヒトゲノムは、ヒトである為の情報が組み込まれている染色体である。
20cm×4mの細長い窓にプリズムと偏光ガラスをストライプ状に組み込み、遺伝子の配列を象徴化した。窓を通して虹と色光がエスカレーターホールの壁面に投げかけられる。
この光は、一年を通して、太陽の高度変化により動いて行く。

Photo by Kazumasa Sako

2002 北部方面斎場・横浜市(建築:竹山実)

Cubic Gate

321個のLEDが着いたオブジェをかぶり、クリスマスから正月にかけての光のイベント期間にパフォーマンスを行った。このオブジェは一辺2,4mのキューブゲートの中に納まり、パフォーマンス以外の日も市民の目を楽しませた。
イルミネーションが動き出して街中に広がり市民とのコミュニケーションを図りながらメッセージを伝える新しい試みである。

主催:川崎市経済局
企画・制作:武蔵野美術大学、3年逢坂ゼミ
協賛:コマデン株式会社、株式会社ゆん美工、日亜化学工業株式会社

2002/11/30~2003/1/5 Fantasy Night Kawasaki 2002

輝く方位

H鋼の凹部に、色彩のグラデーション変化をテーマにしたネオンを設置、設備棟の壁面を囲んだ。

photo by S.Anzai

2000 代官山アドレス 電気設備棟(東京 代官山)

虹色の方位

光の入射角によって、透過光の色が変化する特性を持つダイクロカラーフィルターを使用。
太陽光の移動と季節による高度変化により、フィルターを通して投げかけられたカラーシャドウは常に変化する。夜間は人工光により透過、反射、屈折の効果を引き出し、20以上のプログラムを楽しむことができる。

ネオン、ダイクロカラーフィルター

*

Photo by S.Anzai,Takuro Osaka*

2000 代官山アドレス エレベーター棟壁面(東京 代官山)

ひかり、ゆらぎ

建築どうしをつなぐ硝子張りのブリッジ。
外の風景を意識させず、しかし歩行者が外光を充分に感じるようなしつらえを・・・。
この課題をクリアする為に、フィルターの働きをするシールと硝子を使用した。歩行者は様々にゆらぎ、変化する外光を体験する。

Photo by S.Anzai

2000 渋谷MarkCity(東京、渋谷)

Blue atmosphere

地球の磁場や大気圏により、太陽風や放射線・紫外線は和らげられて地表に届く。宇宙線もまた、ほとんどが生命に害のないミューオン(ミュー中間子)となって降り注いでいる。
地球を包む皮膚のように薄い青い大気圏が、過去から現在まで生命を守って来た。

シンチレーター、ブルーLED、スチール

6500×200×2700(h)

Photo by Mareo Suemasa

個展  1999 コバヤシ画廊(東京、銀座)

Appearance and Disappearance ’98

地球上に常時降り注いでいる宇宙線を視覚化するため、ギャラリーの中にプラスティックシンチレーターによる検知器が設置されている。宇宙線を検知した瞬間、常時点灯していたグリーンの発光ダイオードが消え、そこにシルエットが残る。しばらくすると、ゆっくりと明るくなる。私たちの周りに無数の宇宙線が飛来しているため、1000個の発光ダイオードは絶えず点滅を繰り返す。
宇宙や生命の誕生と消滅を超新星の爆発から生じる宇宙線を使って作品化した。私は科学によって開かれた世界を芸術的視点から精神世界に語りかけていこうと考えている。

98年度 ロレアル大賞 受賞
(ロレアル アート アンド サイエンス ファウンデーション)

シンチレーター、フォトマル、アンプ、LED、ネオン、テント生地等

3600×1600×200


Photo by Kazumasa Sako

” Appearance and Disappearance ” 1998 コバヤシ画廊(東京、銀座)

Lighting Wing

透過光と反射光が逆の色彩を持つ偏光ガラスと、プリズムを組み込んだ翼を持つ風の彫刻。昼の太陽の光と、夜の人工光では違う色彩を放つ。

* 2400x2400x4200(h) mm
**1800x1800x3600(h) mm

* photo by Kazumasa Sako

** photo by Takuro Osaka

*1998 大田区本庁舎(東京)
**1996 高松市瓦町ピデストリアンデッキ(香川)

Techno Cosmos

太田区の地場産業の1つである工業部品を工場から公募で集め、区庁舎の吹き抜けにつるした空間作品。その数は103品目836個におよぶ。
3階から9階までの各階から間近に展示品を見ることができる。
ロボットの先端部品、ジャンボジェット機のレーダーカバー、YS11のプロペラ等、自動車の部品も含めて技術の輝きが無数に点在している。未来へ向けてのタイムカプセルとして空中に浮遊させ、ひとつの宇宙を 形成した。

98年度 日本ディスプレイ産業大賞<通商産業大臣賞 >(NDF) 受賞
98年度 日本ディスプレイ優秀賞、 特別賞(DDA) 受賞

1800×1200×3000(h) mm


Photo by Kazumasa Sako

モビール” Techno Cosmos ” 1998 太田区本庁舎(東京)

Shadow

真の闇と閃光が人の心理と生理に与える影響はどれほどのものか。

良質の闇が広がる大谷採石場の地下空間に、プログラムされたストロボが回転する参観者の影を作る。後半全ての閃光の同時点滅により、浮遊感覚さえ生まれる。

Photo by kazumasa Sako

” 趨光展 ” 1997 9.13-10.12 大谷資料館(栃木 宇都宮)

GROUND-Appearance and Disappearance

地球上に常時降り注いでいる宇宙線を視覚化するため、ギャラリーの中にプラスティックシンチレーターによる検知器が設置されている。宇宙線を検知した瞬間、常時点灯していたグリーンの発光ダイオードが消え、そこにシルエットが残る。しばらくすると、ゆっくりと明るくなる。私たちの周りに無数の宇宙線が飛来しているため、1000個の発光ダイオードは絶えず点滅を繰り返す。
宇宙や生命の誕生と消滅を超新星の爆発から生じる宇宙線を使って作品化した。私は科学によって開かれた世界を芸術的視点から精神世界に語りかけていこうと考えている。

シンチレーター、フォトマル、アンプ、LED、ネオン、テント生地等

3600×1600×200

Photo by Koichi Hayakawa

Photo by Kazumasa Sako

“「光をつかむ-素材としての<光>の現れ」展”1997 11.21-12.23 O美術館(東京)

GROUND-Vol.2

目に見えない放射線の一つである宇宙線は、1秒間に200個程、私達の身体を貫通している。通常は感知できない宇宙線のシャワーを、シンチレーターで検知した瞬間に微弱な光に変換する装置空間。真暗なギャラリーに入り、10分以上の暗順応時間を経て、参観者はまたたく光条に囲まれていることを知る。

プラスチックシンチレーター、フォトマル、アンプ、LED、 ストロボ、光ファイバー等使用


Photo by Kazumasa Sako

” GROUND-Vol.2 ” 1996 7.1-7.13 コバヤシ画廊(東京、銀座)

Luminous Map

池袋曙通りを水平のブルーのネオンが 示し、通りをはさんで展開する諸官庁の施設を幾何学形体で象徴化した。
西側の”Refrection”が直接ネオンを見せる方法なのに対し、東側の”Luminous Map”では全てを間接光とした。

Photo by Kazumasa Sako

1996 豊島合同庁舎(東京)

Reflection

昼間は屏風の形をした鏡に景色が映り込み、夕刻からは人通りに対応し、内側のネオンが点灯する。外光と人工光を組み込んだ環境的な作品。
ネオンはゆっくりとフェードイン、フェードアウトをくり返す。夕刻17時よりブルーのネオンが点灯し始め、一番にぎやかな20時30分頃に、全てのネオンが呼吸するように 光と色彩を投げかける。

Photo by Kazumasa Sako

1996 豊島合同庁舎(東京)

Rebirth

通年11℃、闇の地下空間に光、水などの生命環境を整え植物を育成させる一ヶ月間の作品。

ネオン、水銀灯、人工地盤(ジュート)、ラン麦

2500×9000×200

Photo by Kazumasa Sako

” 玻璃の回廊展” 1995 9.17-10.8 大谷資料館(栃木 宇都宮)